つくしとふくとネコの母

保護猫の里親が書く日記

猫に感じる後ろめたさ

うちの男子猫ふく3歳は、つくしが1歳になって間もなく引き取った保護猫です。つくしはとても甘えん坊の寂しがり屋だったので、一緒に遊べる相方がいた方が楽しいのではないかと思って迎えました。

 

つくしのために引き取ったというのが、いつも私の心の中にあるので、何か少しふく君には後ろめたい気持ちがあります。

 

ふく君が我が家に来た当初は、つくしがストレスで体調を崩したこともあるし、ふくとつくしの関係があまり良くなくて悩んでしまったこともありました。

 

小さい子猫に対して、猫社会を教えようとするつくしのことを責めるような言葉を発する旦那さんに対してブチ切れて、離婚する寸前までいったこともありました。

 

何もかも、つくしを中心にしか考えられなかった時期もあるので、ふく君には申し訳ない気落ちになります。しかし、ふく君が1歳半のときに右目の瞼に小さなできものをいち早く見つけ、獣医師が「様子をみましょう」と検査を先延ばしにするのを遮って、「細胞診してください」と詰め寄り肥満細胞腫(悪性の腫瘍)だとわかったときは泣きました。

 

ふく君も私の大切な子供になったのに、どこかでつくしの遊び相手として引き取ったという後ろめたさを引きずっていたのです。

 

そんな気持ちも、ふく君に脳腫瘍が疑われたときに吹き飛びました。食事ものどを通らなくなり、2週間で5キロ近く痩せてしまった自分を振り返ると、後ろめたさは消えつつあります。

 

そして、じつはつくしにも後ろめたさを感じることがあります。

 

それは、すずめをTNRした後悔を埋めるためのつくしを引き取ったという事実があるから。

 

すずめをTNRしてさくら猫としてお世話すると決めたけれど、猫ともっと密接にかかわりたくなってしまった。しかし外の世界に戻したすずめは、出会ったときよりもずっと警戒心が強くなり、近寄ると身構えて、手を伸ばすと逃げてしまう。

 

やはりリターンするんじゃなかった・・・という後悔から「子猫から育てたい」という欲望が膨らみ、里親としてつくしを引き取ったんだ。

 

つくしを引き取ったときから今まで、愛情を注いできた自負はありますが、どうしてもすずめを家猫にできなかった後悔の気持ちを埋めるために引き取ったということが頭をよぎります。

 

それでも、つくしへの愛情は日増しに大きくなっているのも間違いないので、いつかこの後ろめたさが消えてくれるといいなと思っています。

 

そして、お空に帰ってしまったすずめには、もうどうしようもないほどの後ろめたさがありました。自分のエゴですずめの猫生を狂わせてしまったのではないかといつもいつも申し訳なくて・・。

 

だからすずめには長生きして欲しかった。外の世界で生きている猫でも10年以上健康に生きられる子も沢山いるから、生きて欲しかった。

 

いつも何かに怯えている様子だったすずめのストレスは、想像を絶するものだったと思います。だからきっと推定5~6歳の若さでもお腹に大きな腫瘍ができてしまったのだろう。もっとのんびりと安心して過ごせるスペースを作ってあげられれば良かったのに。

 

これから、また新たに飼い主のいない猫と出会ったときのことを考えると、保護に対する一層の覚悟が必要だと考えています。

 

自己満足で終わらないようにしないと、すずめに顔向けできませんから。