つくしとふくとネコの母

保護猫の里親が書く日記

会えないと思っていたあの子

私が初めてTNRした猫のこと。

 

食欲が落ちていて、

 

今までみたいに通ってこなくなり、

 

ついには2週間以上来なくなり、

 

どこかで覚悟をしていた。

 

もう会えないかも知れないと。

 

ご飯を食べなくなったのは、

 

きっと他のお家で美味しいものを

 

食べさせてもらっているからだろう。

 

なかなか姿を見せなくなったのは、

 

我が家の周辺が工事続きで

 

落ち着かないからだろう。

 

そんな風に考えるようにしていたのだが、

 

今朝、家の裏に置いてある寝床用の箱に

 

入って丸まっていたのだ!!

 

うちのふく君とつくしちゃんが

 

やけに窓際でザワザワするなと思ったら、

 

箱の中に入っていたのだ。

 

急いでエナジーちゅーるを食べさせようとしたが、

 

食べようとしない・・。

 

近づくと逃げる子だったのに、

 

動こうとしないのだ。

 

やはり体調が悪いのは間違いない。

 

でも、この子を捕獲して病院に連れて行ったあとは?

 

家の中に入れるのは、体調が不安定なうちの猫たちには

 

あまりにリスキーじゃないのか・・。

 

それでも、動けないほど弱っているのに、

 

うちまで来たということは、

 

きっと助けて欲しいからだろう。

 

そう思うと、このまま弱っていくのを

 

何もせずに見ているだけなんてできません。

 

意を決して捕獲しました。

 

それはもう、あっけないほど簡単に捕獲できました。

 

旦那さんが捕まえて洗濯ネットに入れると、

 

暴れることもなくキャリーケースにおさまりました。

 

あまりの軽さに旦那さんは驚き、

 

涙をこらえきれずに泣いていました。

 

私も驚きました。

 

4年前に捕獲して避妊手術したときは

 

たしか4キロくらい体重がありました。

 

うちのつくしが4キロちょっとなのですが、

 

それに比べるとものすごく軽い。

 

きっとほとんど食べられずに

 

弱っているのは明らかだった。

 

自宅からほど近い動物病院は、

 

野良猫でも受け入れてくれるし、

 

専門的な医療もしている病院なので、

 

すぐに病院へ連れて行った。

 

詳しい検査をすると、

 

腎臓の数値がかなり悪い。

 

やはりな・・と思ったのだが、

 

炎症マーカーの数値も異常に高い。

 

その炎症がどこ部位なのか確かめるために

 

とても入念に超音波検査をした。

 

腎臓は片方は委縮していて、

 

片方だけで頑張っている状態だとわかった。

 

そして、腸の周りに大きな腫瘤が確認できた。

 

それが悪性の腫瘍なのかは細胞診をしないと

 

わからないことだった。

 

もしも、悪性の腫瘍だった場合のことを

 

獣医師は聞いてきた。

 

抗がん剤治療など、積極的な治療をしますか?」

 

「それとも、緩和ケアで苦痛を取り除きますか?」

 

そんなこと言われても、即答できませんよね。

 

私から獣医師に質問しました。

 

「先生が今のこの猫の状態を見ていて、もしも悪性腫瘍だった場合に抗がん剤治療によって寛解もしくは数年の延命の可能性はどのくらいありますか?」と。

 

医師としては、腫瘍の細胞検査をしないと

 

無責任なことは言えないという前置きをしたうえで、

 

抗がん剤の副作用に耐えるのは難しいかも知れません」と答えた。

 

それで私の心は決まった。

 

苦しい治療をして、

 

怖い思いをさせるのではなく、

 

苦痛を取り除き、

 

せめて最後に美味しいものを少しでも

 

食べられるようになればそれでいいと。

 

この子の命に任せることにした。

 

過酷な外の世界で、

 

一匹だけで生き抜いてきたのだから、

 

きっと限界だったのだろう。

 

最後の力を振り絞って、

 

最後のときを私たちのところで過ごそうとしてくれた。

 

我が家の猫たちは健康体ではないため、

 

ワクチン接種ができない状態だし、

 

感染症のこともあるので隔離しないといけない。

 

隔離部屋がない現状なので、

 

玄関を仕切ってケージを置いて

 

その中で療養させるしかないが、

 

これから寒くなるのに外に戻すなんてできません。

 

とりあえず入院して、

 

異常に高い数値を示す炎症を抑えることと、

 

脱水を起こしているので点滴で水分を

 

補ってもらう処置のために入院させました。

 

退院までに、自宅療養の準備をしなければいけません。

 

ほんとうは、療養部屋を作ってあげたいのだが、

 

今の我が家の状況では難しいのだ。

 

ごめんね。すずめ。

 

4年前にはできなかったが、

 

今日はこの子の体温を感じました。

 

小さくなって、痩せてしまったけれど、

 

はじめてこの子を抱けました。

 

泣きました。

 

来てくれてありがとう。

 

私たちを頼ってくれてありがとう。

 

この子の名前はすずめです。

 

2018年にさくら猫になる直前の写真です。